アールデコのアルミハンドルがペアで3組入荷しました。ワイド600mmと大振りなサイズから察するに、学校 の校舎や銀行、百貨店のエントランスで使われていたのでしょう。アールデコのキーワードである「合理性」 「幾何学」「無機質」「簡潔」「クール」をそのまま具現化したようなデザインが魅力です。 今回の撮影ではオーク材のアンティークドアを使用。アルミの軽妙な質感とオークの力強い木目のコントラスト を演出しました。 あくまで私見ですが、パインやペイントのドアよりも、マホガニーやチェリー、チークなど広葉樹の木理と マッチさせたほうがこのハンドルの良さが生きると思います。 アイアンよりもあたたかみがあり、真鍮やピューターよりも軽やかなイメージ… 使うほどに表情が豊かになり、 雰囲気が増すアルミの歴史を紐解いてみると、150年前までは珍しい金属とみなされ、金よりも高額だった そうです。 フランスの小説家Jules Verneは「この貴重な金属は、銀の白さ、金の変質しにくさ、鉄の引張り強さ、銅の 可融性、ガラスの軽さを兼ね備えている。また、鋳造が容易で、広範に分布しており、さまざまな岩石の主成分 となっている」と自身の著書で記述しています。 1960年代初めには銅をしのぎ、世界で最も広く用いられる非鉄金属になりましたが、このハンドルが誕生した 時代にはエポックメイキングなハードウェアとしてさぞ話題になったことでしょう。 Pair of Art Deco Door Handles W600 D70 H70