アーコールソファ
家具のお話

アーコールソファ

ウィンザーソファの名で親しまれているアーコール社のシングルソファと3シーターが入荷しました。弓型の背もたれが描くおおらかなラインと、縦に並ぶ繊細なスピンドルが印象的なこのソファのデザインは、17世紀後半にイギリスで生まれたウィンザーチェアを現代に解釈したものです。

 

インテリアの本のページを紐解くと、家具の歴史の各ピリオドにウィンザーチェアをリデザインした椅子があることがわかります。古今東西の有名なデザイナーが北欧スタイルやイタリアデザインの名のもとに、ウィンザーチェアをモチーフに蘇らせた椅子は数知れず。

その多くのものが斬新で奇抜なデザインで占められている中、アーコールのソファは、リメイクを最小限にとどめながら、ウィンザーチェアのオーセンティックなデザインを堅守しています。

 たとえば、ソファの背もたれをV字に配した2本のスピンドルで支えるデザインは1780年代に流行した「Braced Bow Back Windsor Chair」をそのまま流用したもの。(Braced=支えられる、Bow=弓、Back=背)

1780年にこのような斬新なデザインがあったことも驚きですが、20世紀中ごろにデザインされたアーコールソファが17世紀の椅子をベースにデザインされている、ということにも感じ入ります。

ライトカラーが人気のアーコールソファですが、今回、紹介するのはダークブラウン・タイプ。クッションカバーはフレームの色に合わせて、縦糸がブラックで横糸がフラックスのモザイク柄(リベコ社のVanity Black Mosaic)を選びました。アーコールが持つシンプルで軽やかなフォルムはそのままに、シックで落ち着いた雰囲気に仕上がったと思います。

モダンな空間はもちろん、クラシカルなインテリアに合わせても良さそうですね。